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ケンプのバッハ・平均率

ケンプの平均率第1巻をきくと、最初の聞き慣れた一曲目から3曲目くらいまで、
指がまわらずスケールが団子になっているようで、最後までたどり着けるのか
不安になる。ところが5、6曲目をすぎたあたりから、ゆうゆうとしたテンポで
やわらかなピアノの音での演奏が続くうちに、時々はっとするような美しい
フレーズがあらわれてくる。それに気持ちが動くうちに第1巻の半分くらいまで
あっとゆう間に過ぎてしまう。
テクニックでみると演奏するうえで多くの困難をかかえていると思うが、聞き手
に対して、あるべき曲の姿を目指して高い集中力で演奏できるのは、すごい
ピアニストだと思う。

Solo Piano Recordings

現在はDGのセットでしか入手できないようです。

バーンスタインのフランク交響曲ニ短調

第1楽章はいくつかの主題が何回も提示され、第2楽章はゆるやかな間奏曲風。
第3楽章になりいままでの主題が全て回想され、また同時に演奏され、何回の
クライマックスを形成して終了するというような音楽。
バーンスタイン指揮ニューヨークフィルの演奏できくと、第3楽章の主題の
提示が独立したままの状態で並行に進行する感覚が、19世紀の音楽だと
思えないところがあり面白い。

Symphony in D Minor


リリー・クラウスのマスタリングの謎

昨日、五味康祐の音楽巡礼を読んでいたらバルトークのピアノ曲のことが書いてあって、
急に聞きたくなりWEBで視聴できるところを探しました。その中にリリー・クラウスの
ルーマニア民俗舞曲 があり、これが心をリラックスさせてくれるとても良い演奏でした。


リリー・クラウス コレクション2 バルトーク:ルーマニア民族舞曲



さらにリリー・クラウスを聴きたくなって定番のモーツァルトのソナタを聴こうと思いWEBを見ていたら、マスタリングの件に出くわしました。
以前、モーツァルト・ソナタ集を買おうと思った時に、リリー・クラウスのモーツァルトはマスタリングでの音の差が大きいということがありましたが、昨日もまたひっかってしまいました。簡単に整理すると、クラウスのモーツァルト・ソナタ全集で有名なものは、モノラルの56年のモーツァルト生誕200周年にアンドレ・シャルランが録音したものと、ステレオになってからCBS音源のもののふたつがあるのですが、奇しくも両方ともマスタリングによって聴いた印象が大きく変わるとの試聴記が多数書かれているのです。

最初のモノラルは何種類ものCDがリリースされているのですが、一般的にギャップが大きい言われているのは91年に東芝EMIがリリースしたものと(ただし廃盤で入手困難)、一般に手に入りやすい新星堂盤のふたつの比較が良く書かれています。宇野コウホウさんが前者は絶賛、後者はダメと書かれており、これが世の音楽ファンを悩ます(楽しませる?)理由の発端になっています。最近はさらに事情が複雑になり、韓国EMI盤、Music&Artsのハイドン・ソサエティ盤、本家東芝EMIの最近リリースしたバラ売り盤等あり、どれを選べば良いのかまったくわかりません。WEBでみると、韓国EMI盤は新星堂盤と同じ音源だ、いや韓国EMI盤は良い音だ、と色々な情報が交錯しており、昨日はますます混迷した状態だということを確認したのみでした。

手元には韓国EMIの2枚組(安かった)しかないので比較できませんが、テープヒスは少し目立つが鑑賞を妨げるような音とは思えません。少なくとも同時期のギーゼキングのモーツァルトよりは良いと思えるものです。ステレオの新録音も一度聴いてみたいのですが、こちらもマスタリングで音が全然違うとのWEB情報があり、結局、当分は手元の2枚を聴き続けることとしました。

どなたか詳細に比較して聴かれた方がいらしたら、結果教えてください。
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